Interview

インタビュー

2022.12.10
社会福祉法人檸檬会 理事長

前田効多郎

ビジネスで一番大事なのは、まずは人の困りごとを探すこと。

社会福祉法人檸檬会(れもんかい)の理事長・前田効多郎さんに、ビジネスをする上で重要なポイントや起業を目指す人が学ぶべきことについて、WIB(和歌山イノベーションベース)の学生会員で信愛高校3年の干野がインタビューしました。

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社会福祉法人檸檬会 理事長 前田効多郎
和歌山県出身。高校を卒業後、米国に留学。各国放浪を経て1996年に帰国し起業。2003年から保育事業を開始、2007年に社会福祉法人檸檬会を設立。

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-まず、幼少期はどのような子どもでしたか?


かなり人見知りで、いつも母親の後ろに隠れていた幼少期でした。40代半ばまで人見知りが続き、話すのも苦手でした。

今でもあまり人とコミュニケーションを取るのが得意ではないのですが、ある程度の人見知りは訓練することで克服できると思っています。

 

-中高生時代は何に興味を持たれていましたか?


中高生のときは、本を読んだり、映画を見たりすることが好きでした。将来はシナリオライターや小説家のような、書く仕事や映画監督になりたいと思っていたくらいです。

漫画が好きで、小山ゆう先生の「がんばれ元気」というボクシング漫画を読んでいました。今でも漫画が好きで「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」も読んでいます。小説だとSF作品が好きで、特にアイザックアシモフと筒井康隆の作品が好きです。

小説家やミュージシャンと同じように、一から作り出す点において、起業家もアーティストと捉えることができると思っています。

 

-どうして起業しようと思われたのでしょうか?


父方も母方も商売人の家系だったこともあり、日常生活の中で自然と商売人マインドが育ったのではないかなと思います。それと、僕は決まった時間に決まった仕事をすることが苦手で、起業以外の選択肢がありませんでした(笑)

あとは、中高生のときからずっと、「これは世の中に必要だけど、まだ存在していないかもしれない」とか「こうしたら事業化できるかもしれないな」ということをずっと考えていたので、そういうこともあるかもしれません。

とはいえ、中高生の頃は経営者を目指していなくて、当時はクリエイターになりたかったんです。アメリカにいた頃もずっと作家や映画監督になりたいと思っていました。

あるタイミングで、「クリエイティブな形で自分が思い描いた事業を作り出せたら、なんて楽しいんだろう」と思い始めて、事業をしてみることにしました。

 

-まずはどのような事業をされたのですか?


プレッツェルのオリジナルブランドの立ち上げが最初の事業でした。友達と3人で横浜を拠点に始めました。

大学生の頃、アメリカでソフトプレッツェルというパンが人気だったので、これは日本でも売れると思いました。

本社のアンティ・アンズという会社に日本で販売する許可をもらいに行ったのですが、却下されてしまいました。それでも諦めきれなかったので、自分達でその味を再現して、日本で販売しました。

 

-起業をしてみて、以前の生活と変わったことはありましたか?


自分自身もフル稼働しないと成立しないビジネスモデルだったので、とにかく働き詰めでした。寝る時間はほとんどなかったです。

かなり売れてはいたのですが、1日に20時間近く働く生活は流石にダメだと思ったので、利益が出る仕組みを作って、1年半で3店舗に増やしました。

けれども、事業を拡大する中でコミュニケーションが上手くいかず、友人2人が辞めてしまい、事業が成り立たなくなってしまいました。

いきなりショッピングモールからも撤退することにもなり、ショッピングモールの方にすごく怒られて、借金もできてしまいました。このときが人生で一番大変な時期だったと思います。

 

-ビジネスをされてきた中で、大切にしているポイントを教えてください。


ビジネスで一番大事なのは、まずは人の困りごとを探すことです。次に、その困りごとをどうやったら解決できるかを考えること。そして、その解決手段は利益が出るビジネスにつながるかどうかを検討すること。この3つが大切にしているポイントです。

これらが揃ったら事業として成り立つと考えています。

 

-困りごとはどのように探されているのでしょうか?


普段の生活の中で見て、感じることからです。これが一番です。色々見る中でこれは不便だなとか、これがあったらいいのにと思うことは日常的に誰でもあるかと思います。

大抵の人が思うだけで終わりますが、どうすればビジネスにできるのかを深く考えることがポイントです。

ボランティアで終わらさずに、利益が出るような仕組みを考え、ビジネスを見つけることが重要だと考えています。

 

-理事長という役職や会社経営のやりがいを教えてください。


会社経営のやりがいは人それぞれ違うと思いますが、私の場合は楽しいことをしていたら、たまたまそれが理事長という職だったという感じです。

新しい事業モデルを考えるときは、特にワクワクします。例えば直近だと、大阪で障がいのある方が働くバーガーキングの店舗を作りました。

最初は店舗運営がかなり大変だったのですが、2ヶ月ほど経てば、みなさんの技術が上達して、上手く仕事がまわるようになりました。

イメージだけから始まったものが、最終的に事業として成り立つことに面白みを感じています。

 

-今後の目標や展望を教えてください。


これからの世の中は、障がいの有無、年齢、性別、人種など関係なく、みんなが協力できる世界になってくるはずだと思います。リアルの世界だけでなく、メタバースの中でもこうした世界を作れるように今、トライしています。

実際に奈良県の広い敷地の中で、「レイモンドヴィレッジ」という町作りをしているところです。いろんな人たちが助け合い、生きていけるようなコミュニティにしたいと思っています。それを奈良県から日本全国、さらに、アジアへ広めていくことが今後10年間のミッションです。

 

-これから会社経営を目指す若者は何を学べば良いですか?


まずは、今の世の中に何が足りてないかを考えること。特に身近で何が足りてないかを探して、その解決方法を見つけること。これをいかにビジネスに変えられるかを考えることです。

最初はどうしても資金がなく、できることが限られているかもしれません。でも、お金をかけずにできることは沢山あります。今の世の中はしっかりとした事業モデルがあれば、 (資金を出して)協力してくれる人もいます。

ビジネスのことで困ったら、まずはWIBへ相談に来てみてください。私ももちろんアドバイスしますし、他の方もアドバイスしてくれます。

 

-これから起業を目指している人へ、一言メッセージをお願いします。


企業規模とか起業歴とか関係なく、同じ起業家である以上は同じ土俵に立っていると思っています。もし起業したいと考えているなら、僕や起業家の先輩に気軽に相談してみてください!

WIBでお待ちしています。

 

 

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社会福祉法人 檸檬会について


法人名社会福祉法人 檸檬会(れもんかい)
代表者:理事長 前田効多郎
設立:平成19年2月14日
法人本部:〒649-6432 和歌山県紀の川市古和田240
事業内容:第二種社会福祉事業

  • 保育所の経営(認可保育園、公立保育園の移管)
  • 地域子育て支援拠点事業の経営(子育て支援センター)
  • 放課後児童健全育成事業の経営(放課後児童クラブ)
  • 児童厚生施設の経営(総合福祉センター)
  • 障害福祉サービス事業の経営(就労移行支援、就労継続支援、グループホーム)
  • 幼保連携型認定こども園の経営(認定こども園、公立保育園の移管)
  • 小規模保育事業の経営(小規模保育園)
  • 障害児通所支援事業の経営(児童発達支援、放課後等デイサービス)
  • 病児保育事業の経営(認可保育園)
  • 指定障害児童相談支援事業の経営
  • 指定特定相談支援事業の経営

ウェブサイト:https://village.lemonkai.or.jp

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